SNSの写真は誰のもの? 著作権の話

前回の記事『美容師が注意すべき「肖像権」』では、SNSにお客様の写真を載せる際に注意したい「肖像権」についてご紹介しました。

SNSでもうひとつ注意しておきたいのが著作権です。前回に引き続き、茨木拓矢弁護士(ピクト法律事務所)にお話を伺いました。

SNSに投稿した写真の著作権について

SNSの写真は誰のもの?

撮影した写真に関しては、原則として撮影者に著作権(写真を利用する権利)が発生します。

ということは、サロンのアカウントで写真を投稿していても、著作権はスタッフにあるということですか?

実は、雇用関係によって違ってきます。

雇用形態によって異なる著作権の所在

社員スタッフの場合
著作権はサロンに発生:業務の一環として社員スタッフが撮影し、宣伝に利用していた場合は、サロンに権利が帰属します。例えばスタッフが辞めた後でも引き続き宣伝等に利用することが可能。
業務委託スタッフの場合
著作権はスタッフに発生:サロンに帰属するわけではないので、業務委託スタッフ本人に著作権があります。

スタッフがサロンに直接雇用されているかがポイントということですね。

はい。業務委託は雇用ではなく、サロンとスタッフは対等なパートナー。あらかじめ業務委託契約書などで著作権の取扱について明記しておくことが大切です。

まとめ

原則として撮影者に発生する著作権。スタッフの雇用形態によってもその所在は変化します。後のトラブル回避のために、スタッフの著作権をサロンに譲渡する契約書を作成しておくと安心です。

また、大前提として他のサロンが取った写真を無断で利用することは100%NG。著作権だけでなく、肖像権も侵害したとみなされます。

この他、ネットに落ちているタレントやモデルの写真をSNSにアップして、お客様への宣伝に利用する場合も違法です。「知らないうちに著作権を侵害していた」という事態に陥らないよう注意が必要です。

経営とサイエンス19年4月号
連載:「サロンのコンプライアンス」

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