6つの業界が垣根を越えて 新しい美容をつくるイベントに行ってみた!

第1部:理美容業界のディスカッション

ここでは、気になる理美容業界のディスカッションのコンテンツについてレポートします。ディスカッションは、次の3つのテーマで進行しました。

  1. 「美容サービス産業が抱える課題」
  2. 「ビューティインテグレーション産業のカタチ」
  3. 「共創のために何が必要か?」

1.「美容サービス産業が抱える課題」では

  • 劣悪な労働環境
  • 高い離職率
  • オーバーストア化の加速
  • クーポンサービスの台頭による過当競争

などが課題として挙げられました。この辺は、業界の方でしたら身につまされている内容ですし、聞き飽きてもう耳にタコができたという話だと思います。

美容室ビジネス・3つのメリット

これらの課題解決に向けて、②「ビューティインテグレーション産業のカタチ」を探ったわけですが、議論では、まずサロンビジネスのメリットを整理しました。メリットは、以下3つです。

  • 顧客の滞在時間が他産業より長い
  • その時間を使って密度の濃い個人情報が得られる
  • 同時に質の高い人間関係が構築できる

この辺のビジネスメリットって、最近では他業種の人たちも目をつけているようですね。「外の人たちに畑を荒らされぬよう、美容業ならではの発展をしたいところです」などと思っていると、「いいもの(可能性のある施策)があっても、業界内で内製化してしまう」という業界ならではの体質を指摘する意見も挙がりました。うーん、時代は、業界という垣根を越えたオープンイノベーションに向かっているのか?!

ちなみに、上の②「ビューティインテグレーション~」の「インテグレーション」という言葉ですが、日本語では「統合」の意味で、これからの理美容産業は、髪だけではなく身体のキレイや健康や心のキレイまでを統合するのが理想なのでは」というメッセージが込められているのだとか。髪・身体・心 ヒトのすべてのキレイをデザインする。それが未来の美容室。素晴らしい!

未来の美容室のために、今できること

「じゃあ、そのために今、何ができるのか」ということで、③「共創のために何が必要か?」のテーマでディスカッションが行われたのですが、自分なりに考えを整理すると、こんな感じかなと思いました。

・現状、お客様が気軽に使えるネットでの美容情報は、クーポンサイトでの過当競争か、SNSでの宣伝合戦が主戦場となっている

・クーポンサイトでは資本力のあるサロンが有利だし、宣伝合戦では広い意味で宣伝上手な美容師が有利

・極端に言えば、ネット経由でお客様が目にする情報は、資本力のあるサロンの広告か、宣伝上手な美容師の広告のいずれか

・その意味で言うと、お客様に適正な情報が届いていない(例えば、大人っぽいボブにイメージチェンジしたいと思ってネットを見て、そこにあるのは上記の広告だけ)

・であれば、お客様の要望にしっかりマッチした美容師(あるいはサロン)をマッチングさせるサービスがあればいいのでは

イベントを終えて

実際のディスカッションでは、もう少し手前の話がメインで、カルテ管理アプリや、AIを使ったカウンセリングサービスなどの導入で、美容師の仕事をサポートするプランなども紹介されました。
イベントは4時間という長さでしたが、気づけばあっという間。むしろ結論を出すにはまだまだ全然時間が足りないくらいでした。しかし、気になりますよね、次の美容業界の新しいカタチ。でも、安心してください、その答えは必ずや『経営とサイエンス』が提示しますから!

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