地元密着型の美容室が実践する 働き方改革

東京都世田谷区豪徳寺の美容室『MOCCA』は代表・山口大介さんをはじめ、スタッフ全員のカット技術追求により幅広い年齢や職業のお客様の支持を獲得。顧客の数が年々増える中、山口代表が決断したのは週休2日制の導入。技術と働きやすさを両立する取り組みが、美容室経営でも好循環を生み出しました。

東京都世田谷区豪徳寺の美容室『MOCCA』/オーナーの山口大介さん

山口大介(やまぐち だいすけ)
1975年7月生まれ。神奈川県秦野市出身。神奈川県立小田原職業技術校卒業後、大手サロンに勤務。2003年に独立し、東京都世田谷区豪徳寺に『MOCCA』を開業。店名の由来はコーヒーを意味する「MOCHA」から考案した造語。

地元密着型経営こそ技術力が最重要

Q.豪徳寺の商店街に所在しながら、WEBページでデザイン性の高いヘアスタイルを発信されている点が印象的でした。お客様の層やニーズについてお聞かせ下さい。

山口大介さんが美容室で提供するヘアスタイルの一例

A.お客様の層としては、古くから住む地元の方はもちろん、20代~30代の方も多くいらっしゃいます。全ての方にエッジの効いたヘアデザインを提供しているわけではありませんが、どのような要望があった時でも対応できるよう、高い技術力を備えている必要があります。

美容室が所在する「豪徳寺商店街」

豪徳寺の沿線には大学が多く、上京を機に地域に定着する若年層も多い土地。住む人々の職業・年齢の幅広さに比例して多様化するニーズに対応すべく、外部講習の受講や他サロンとの技術交流を通して自身をはじめスタッフ全員が技術力向上を追求。口コミで広がり、他の地域からもお客様が来店するように。

技術で繋がるスタッフ同士の絆

Q.サロンではどのような練習プログラムを設けていらっしゃいますか。

A.週に1回「朝練」としてカットの展開図を描く練習を行っています。1スタイルをその日の課題として、理論的に考え対応する力を磨く時間です。当店のスタッフは皆、勉強家。この他にも自主的に講習へ出かけ、仕事に活かして貰っています。

世田谷区豪徳寺の美容室『MOCCA』・朝練の様子

展開図の指導は同サロン・江沼まゆみトップスタイリストが担当

また、忙しい営業中はスタッフ同士が会話する機会が減ってしまいがちですが、このような練習の時間はコミュニ―ケーションの一環。技術で心が繋がれるのは美容師という職業ならではだと思います。

技術一筋・代表の決断

開業した2003年から予約サイトに頼ることなく、技術で集客し続けてきた『MOCCA』。山口代表は2019年4月にスタッフの週休2日制を導入し、月・火をサロンの定休日に設定しました。順調な美容室経営にとっては顧客離れなどのリスクが伴う決断。

しかし、いざスタートしてみるとサロンにとって良い循環が生まれました。

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